入れ歯は、歯を失った場合にその機能と見た目を回復させるための取り外し可能な人工歯です。
歯を失う原因はさまざまで、事故や病気、加齢によるものなどがあります。
入れ歯はこれらの歯の欠損を補い、正常な口腔機能を維持することができます。
部分入れ歯は、1本から数本の歯を失った場合に使用する入れ歯です。
残っている歯が一本でも対応可能です。
部分入れ歯は、自分の歯の代わりとなる人工歯、粘膜の上に乗る床、そしてこれらを残っている歯に固定するためのクラスプ(金属のバネ)で構成されています。
総入れ歯とは、上下のどちらかの顎で自分の歯が全くない場合に使用する入れ歯です。
歯が一本も残っていない場合には、総入れ歯による治療が必要です。
総入れ歯は、ピンク色の土台(床)に人工歯が並んでおり、噛み合わせや審美性を回復させるために使用されます。
カウンセリングを行い、患者さんのお悩みやご要望をお伺いします。
入れ歯に対する期待や不安、ライフスタイルなど、詳しくお話しください。
検査を行い、お口の状態を詳しく把握します。
歯や歯ぐきの状態、顎の骨の形状などを確認し、最適な入れ歯作りの基礎データを収集します。
検査結果をもとに、治療の提案を行います。
患者さんのライフスタイルやご要望に合う入れ歯の種類を一緒に考え、最適な治療プランを決定します。
治療方針が決定したら、精密な型取りを行います。
型取りは入れ歯の精度に直結するため、非常に慎重に行います。
正確な型取りを行うことで、快適な入れ歯を作る基礎となります。
型取りが完了したら、噛み合わせの確認を行います。
その後、仮の入れ歯を作製し、実際に装着してみて、違和感や問題点を確認します。
仮の入れ歯で問題がなければ、最終的な入れ歯を作製します。
入れ歯が完成した後も、違和感が無くなるまで何度でも調整を行います。
快適に使用できるようになるまで、丁寧にサポートいたします。
入れ歯は時間が経つと、歯ぐきや顎の骨の変化により合わなくなることがあります。
快適に使い続けるために、定期的に調整にお越しください。
定期的なメンテナンスで、入れ歯の状態を最適に保つことができます。
入れ歯治療はインプラントと違い外科手術が不要です。
そのため、身体に他の疾患をお持ちの方や高齢者の方でも、安心して治療を受けることができます。
入れ歯は保険治療でも自費治療でも作製可能です。
保険適用であれば、費用を抑えて入れ歯を作ることができます。
歯周病など他の治療が不要な場合、入れ歯の平均的な治療期間は約1ヶ月ほどです。
インプラント治療(6ヶ月)と比較すると、治療期間や通院回数が少なく済みます。
入れ歯は脱着が可能なため、高齢の方でもお手入れが容易です。
取り外して洗浄することで、清潔を保つことができます。
入れ歯は噛む力が弱いため、硬いものを食べるのが難しいことがあります。
このため、食事の楽しみが減ってしまうことがあります。
保険適用の部分入れ歯には、クラスプと呼ばれる金属のバネを残っている歯に引っ掛けて使用します。
そのため、バネが目立つことがあり、審美性が損なわれる場合があります。
入れ歯は時間が経つと合わなくなったり、バネが緩んで外れやすくなったりします。
その結果、違和感が生じることがあります。
これにより、日常生活で不便を感じることがあるため、定期的な調整が必要です。
ブリッジは、歯を失った後の代表的な治療方法の一つです。
その名の通り「橋」のように、両側の健康な歯(支台歯)を支えにして、欠損した部分に人工の歯を架ける治療です。
重度の虫歯や歯周病などで歯を抜いた場合、歯を抜いた部分の歯肉が治癒するまで待つ必要があります。
通常、歯肉がきれいに治るまでには1〜2ヶ月程度の期間が必要です。
歯肉が治ったのを確認した後、ブリッジの支台となる歯を削って形を整えます。
この際、神経がある歯を削る場合は麻酔が必要です。
神経がない歯は滲みることがないため、麻酔は不要です。
粘土のような材料を使って上下の歯型を取ります。
この型を基に、精密なブリッジを作製します。
模型上で製作したブリッジを調整し、口の中に装着します。
装着後は噛み合わせやフィット感を確認し、必要に応じて微調整を行います。
ブリッジ治療は、インプラントに比べて噛む機能が回復するまでの期間が短いです。
治療開始から比較的早く噛めるようになります。
入れ歯は天然の歯と比べると約3割程度まで咀嚼能力が劣りますが、ブリッジ治療は6割程度まで咀嚼能力を回復させることができます。
入れ歯は毎日取り外してお手入れをする必要がありますが、ブリッジは固定されているため、着脱してお手入れをする面倒がありません。
インプラントは完全に保険外診療となりますが、ブリッジ治療は保険の範囲内でも行うことが可能です。
ブリッジ治療を行う場合、支台にする歯は健康な歯でも削らなければなりません。
支台歯が傾いているなどの理由で削る量が多くなる場合、しみる症状が出ることがあります。
しみる症状が治まらない場合は、神経を取るために根管治療が必要になることもあります。
ブリッジは残っている歯を支台とするため、歯の欠損が多い場合は治療を行うことができません。
連続欠損は原則的に2歯までしか認められません。
ただし、中切歯・側切歯の場合は例外的に連続4本欠損まで認められます。